1. はじめに
中小企業を取り巻く経営環境は、年々厳しさを増しています。慢性的な人手不足、担当者の退職による業務の属人化、増加する事務作業……こうした課題に対して、限られた人材でどのように対応していくかは、経営層・現場マネージャー共通の悩みではないでしょうか。
そこで注目されているのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。大企業だけのものと思われがちなRPAですが、実は今、中小企業こそが導入を検討すべき時期を迎えています。本記事では、RPAが中小企業にもたらす価値や導入のポイント、そして失敗しない考え方までを丁寧に解説します。
RPAに関する詳しい説明は、こちらの記事を参照ください。⇒【簡単に解説】RPAとは?仕組みや導入効果、向いている企業について – Automation Lab
2. RPA導入による主なメリット
では、RPAを導入すると、どういったメリットがあるでしょうか。
業務効率化に直結する、4つのメリットを以下に列挙します。ご自身のお悩みにマッチするものがあるか、チェックしてみましょう。
① 業務時間の大幅短縮
請求書データの転記や在庫一覧の更新、注文のシステム登録など、ルールが明確で繰り返しの多い業務はRPAの得意分野です。ロボットの作業スピードは人間より圧倒的に速いため、人が1時間かけていた作業も、ロボットなら数分で処理することも可能です。
② ヒューマンエラーの低減と品質向上
手入力や確認漏れといったミスは、人がどれだけ注意してもゼロにはなりません。しかし、RPAを使うことで、指示通りに正確な処理を行うことが可能になります。これにより品質のばらつきがなくなり、再確認の時間も削減できます。
③ コスト削減とROI(費用対効果)向上
RPAは高価なシステムという印象を持たれがちですが、最近は中小企業向けに手軽な料金体系の製品やサービスも増えています。単純作業に人をアサインしなくて済むことで、人件費の削減だけでなく、若手社員をコア業務にシフトしやすくなり、定着率の向上にもつながります。
④ 24時間稼働でスピード強化
ロボットは文句も言わず、夜間も休日も働き続けてくれます。早朝のデータ集計や、営業前の在庫チェックも自動化でき、人が作業できない深夜時間帯も、ロボットの作業時間として有効活用できます。これにより、使える時間が延長され、業務スピードが格段に向上します。

3. 中小企業が直面する課題とRPAの必要性
2章では、RPA導入のメリットを知っていただきました。
本章では、ありがちな問題3つをピックアップし、それぞれ、どのようにRPAで解決できるのかをご説明します。
◆ 人手不足・業務負担の増大
「人が足りない」という言葉が、日常的に現場で聞かれるようになりました。特に経理や総務などの間接部門では、紙の請求書処理やExcel管理など、定型的かつ煩雑な業務が山積しています。人材採用が難しい中、こうした業務に社員の多くの時間が割かれているのが現状です。
そこで、RPAが請求書の打ち込みやExcelの更新といった、定型的な繰り返し作業を肩代わりします。それにより、社員は単純作業による業務の圧迫、精神的負担から解放され、よりクリエイティブな仕事に打ち込めるようになります。
◆ 属人化のリスク
長年同じ人が担当している業務ほど、そのノウハウが共有されず、「◯◯さんがいないと進まない」という属人化が生まれがちです。突発的な退職や休職によって業務が滞るリスクも無視できません。
そういった属人化作業をロボット化することで、担当者が不在の場合にも対応できるようになります。また、ロボット化する過程で業務を整理・ドキュメント化すれば、ノウハウの共有としても有効です。
◆ 業務フローのムダ・非効率
意外と見過ごされているのが、「なぜこの作業をやっているのか」という問いを持たないまま続けられている非効率な業務フロー。RPAを導入するには、まず現状の業務を棚卸しし、可視化することがスタート地点となります。現在の業務を洗い出し、どういった業務がRPA化に向いているかを選別するためです。
棚卸しには時間と労力を要しますが、結果として業務内の無駄な工程に気付くことができたり、より効率的なフローにアップデートできるといった副産物的効果も期待できるでしょう。

4. 中小企業向けRPA導入の基本ステップ
①業務プロセスの整理と可視化
まずは、どの業務に時間がかかっているのか、手作業が多いのかを棚卸しします。見える化することで、自動化の対象が明確になります。業務の棚卸しについては、こちらの記事で詳しく説明しております。⇒【RPA導入の第一歩】業務の棚卸しで自動化に最適な業務を見つけよう – Automation Lab
②ベンダー・ツールを選ぶ
「有名だから」「価格が安いから」だけで選ばず、中小企業に導入実績があるか、サポート体制が整っているかを重視しましょう。無料で使えるお試し版があるか、というのも確認ポイントとして重要です。また、プログラミング知識のない現場のメンバーが、直感的に使いこなせるUIであること(ノンコード、ノンプログラミング)も大切な要素です。
③ スモールスタートから始める
最初から全社導入を目指すのではなく、ひとつの業務やチームだけで小さく始めてみることをおすすめします。まずは簡単なロボットを一つ作成し、動かしてみましょう。実際にロボットが動いている様子を見れば、「次はどんな業務が自動化できるだろうか」というイメージも湧きやすくなります。そうして少しずつ業務を自動化し、次第に成果が出れば、社内でも理解が広がりやすくなるでしょう。
④ PoC(概念実証)から本格展開へ
導入前に効果検証を行うPoC(Proof of Concept)が可能かをベンダーに確認しましょう。PoCで実際の効果を確認し、社内理解を得てから本格導入に進むのが成功への近道です。

5. 導入で失敗しないための考え方・注意点
ここまで、RPAを導入した際のメリットや導入のステップ等についてご説明しましたが、そもそもRPAを導入するにあたって、どんな点に注意すべきかについても簡単にご紹介します。RPAは便利なツールであり、できることが多岐に渡るため、検討期間が延びるほど、当初の目的を見失いがちです。以下のポイントを忘れずに、業務の自動化、効率化の検討を進めましょう。
・自動化自体が目的ではない
RPAの導入検討を進めるうちに見失いがちなのが、本来の目的である「業務の効率化」です。自動化する業務を選定する、または使用するツールを検討するうえで、最も重視するのは「業務の自動化ができるか、できないか」ではありません。大切なのは、コスト削減や業務品質の向上など、「効果やROI(費用対効果)が見込めるか」というポイントです。
たくさんの業務を自動化したが、あまり効果が出なかった…という結果にならないよう、効果の出やすい業務、ツールを選択することが大切です。
・ツール選定に時間をかけ過ぎない
RPAツールによって、できること、得意なことは様々です。それぞれのツールに特色があるからこそ、「使ってみたら思っていたのと違った」「できることが多すぎて難しかった」など、触ってみないと分からないことも多々あるでしょう。理想に合った完璧なツール探しに時間をかけるよりも、早期に試してみることが成功に繋がります。
・プログラミング的思考が必要
多くのRPAツールは、ツール自体はノーコード(プログラミング不要で、直感的な操作でロボットが作成できる)でも、「繰り返し」「分岐」などの論理的思考は求められます。つまり、プログラミング的な考え方が必要になるということです。社内のメンバーでは対応が難しい場合、必要に応じてベンダーに協力を仰ぎましょう。
・業務対象の選定が肝心
すべての業務が自動化に向くわけではありません。例えば、頻繁に手順の変わる業務や、複雑な判断が必要なフローを持つ業務は、自動化に不向きと言えます。コストよりも効果が大きくなることが見込める業務に集中しましょう。
・完全自動化よりハイブリッド運用を意識
定期的に、単純な作業を、決められた手順で行うが、業務上、どうしても人の判断が必要になるフェーズがあったとします。こういった業務の場合、業務フローを完全に自動化することにこだわるのではなく、「ロボットに任せる部分」と「人が行う判断業務」に分け、うまく組み合わせる方針も検討しましょう。ハイブリッド運用を採用することで、自動化対象が広がり、より業務自動化を促進することに繋がります。

6. まとめ
中小企業の経営課題として常に挙げられる「人手不足」や「業務の属人化」。RPAは、これらの問題の確実な解決策の一つとなり得ます。
大がかりな投資や専門知識がなくても大丈夫。RPAツールには様々な種類があり、ニーズに合わせて選択することができます。中には、無料でお試しできるツールもあるため、一度触ってみてから考えるのも一つの手です。
株式会社システムサポートでは、業務自動化のプラットフォームとして、「Automation 360」をお勧めしております。ノーコード、ノープログラミングでロボットを作成できるだけではなく、ロボット稼働状況を一目で確認できるダッシュボードや、複数のロボットを管理できるControl Room機能といった、業務自動化における課題を解決するための機能を取り揃えております。
また、「やはりRPAは導入や開発のハードルが高い」と感じるあなたには、弊社がご提供するサービス、Automation 360 Managed Serviceをご紹介します。
Automation 360 Managed Serviceとは、RPAツール「Automation 360」に関する管理・運用サービスです。Automation 360の管理機能である「Control Room」を、株式会社システムサポートが代行して管理・運用します。
それにより、顧客企業のIT部門や、RPA推進プロジェクトの担当者は、RPAツールの管理や運用から解放され、自動化対象業務の選定やBot開発、RPA推進活動などの、本来やるべき自動化推進に注力することができるようになります。
Automation 360について、およびAutomation 360 Managed Serviceについて、詳しい紹介はこちらをご覧ください。⇒Automation Anywhere | 将来を見据えた柔軟性を持つRPA | システムサポート
RPAはもはや、大企業のものではありません。貴社にとっての業務効率化の一手として、ぜひ一度、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


