はじめに
「業務の自動化に挑戦したいが、どこから手をつけていいか分からない」
「RPAを使って業務を改善してみたいが、どれくらい効果が見込めるのかを知りたい」
こんな悩みをお持ちではないでしょうか?
そのような場合は、まず業務の棚卸しから始めることをお勧めします。
日常業務の中で、時間がかかっているタスクや自動化によって改善できる可能性がある業務を洗い出すことで、最初に取り組むべき業務や自動化によって得られる効果を明確にすることができます。
本記事では、業務の棚卸し方法と、RPAに向いている業務を見つけるための実践的なステップをご紹介します。
※RPAについての詳しい説明はこちらの記事を参照ください。→【簡単に解説】RPAとは?仕組みや導入効果、向いている企業について
なぜ業務棚卸しが必要なのか?
まず、「なぜRPA導入の前に業務の棚卸しが必要なのか?」についてご説明します。
RPAは、業務のスピードアップや人的リソースの節約を可能にする便利なツールですが、得意な作業と苦手な作業があります。
RPAは、データの転記やシステム登録、照合など、「業務が明確で繰り返しが多い」作業が得意です。
一方で、人のチェックや承認が必要だったり、複雑な判断が必要になるなど、「RPAだけで完結できない」「臨機応変さが求められる」作業は苦手としています。
そのため、業務の自動化を始める前に、どの作業がRPAに適しているかを見極める必要があります。
もし「自動化したい」といった漠然とした観点で進めてしまうと、ロボット作成後に「やりたかったことが実現できない」や、「時間がかかりすぎる」といった問題に直面するかもしれません。
また、「RPAが得意な作業」であったとしても、その自動化によってどれほどの効果が得られるかを考慮せずに進めると、せっかく作ったロボットが使われない、または上手く機能しない、といった結果を招く可能性もあります。
このような事態を防ぐためにも、まずは業務を可視化し、候補を選定し、優先順位をつける。
この3ステップを踏むことで、RPA導入効果の最大化が期待できます。

業務棚卸しのステップ解説
業務の棚卸しは、以下のステップで行います。
ステップ1:業務の全体像を洗い出す
ステップ2:業務の情報を整理する
ステップ3:RPAに向いているかスコア付けを行う
ステップ4:1~3の情報を踏まえて、全体的な優先順位付けを行う
ステップ1:業務の全体像を洗い出す
最初に、自分の部署で日常的に行っている業務を書き出してみましょう。朝、出社してから退勤するまでの流れを振り返り、書き出します。普段使用している予定表を見返しながらリストアップするのもおすすめです。
例:
- メールチェック
- 朝会の準備
- 受発注情報のシステム登録
- 会議の議事録作成
- 報告書の作成・送付
タスクには、毎日行うものから1か月に一度だけ必要なものまで様々です。
そのため、1日・1週間・1カ月単位など、周期を変えて振り返ることで、抜け漏れを防げます。
ステップ2:業務の情報を整理する
次に、ステップ1でリストアップした業務に対して、情報を追加していきます。
その業務を自動化するにあたって、参考になるような情報が望ましいです。
「RPA化しやすいか」だけではなく、「RPA化するのが難しい要素があるか」の観点でもチェックをすると、ロボットの作成開始後にRPA化できないことに気づく、といった事態を防ぐことができます。
業務を自動化するか判断するための情報例:
- 実施頻度(毎日、週1、月1など)
- 所要時間(1回あたりの作業時間)
- 担当者の人数
- 使用しているシステムやツール(Excel、メール、業務システムなど)
- 手順の明確さ(マニュアルの有無)
RPA化に向かない要素例:
- 頻繁に手順が変わる
- 繊細な判断や臨機応変な対応が必要
- 紙のデータをインプットとして使用する
- リモートデスクトップ接続を使った操作が必要
これらの定量的な情報に加え、「抜け漏れや実施忘れが起こりやすい」「簡単だけど負担に感じやすい」などの、現場の声も補足情報として追加しておくと、RPA化対象を検討する際の参考情報として有益でしょう。
ステップ3:RPAに向いているかスコア付けを行う
ここまで作成した業務リストに対して、「RPA化に適しているか」のスコアを付けていきます。以下の項目を用意し、それぞれ「項目の内容への一致度」で評価を付けていきましょう。
例えば、「繰り返しが多い」という項目に対して、毎日行う作業であれば「5」、年に数回しか行わない作業であれば「1」の評価を付ける、といった形です。
スコア付け対象項目:
- ルールベースで判断可能(例:数値や条件による処理分岐)
- 繰り返しが多い
- 作業量が多い
- 入力・転記など単純作業が中心
- 作業をマニュアル化できる
ステップ4:1~3の情報を踏まえて、全体的な優先順位付けを行う
ここまで、業務をリストアップし、RPA化の判断材料となる情報をリストに追加してきました。
最後に、それらの情報を総合的に見て、RPA化すべき業務の優先順位を決めていきます。
ポイントは、「効果の大きさ」と「実現のしやすさ」のバランスを取ることです。以下の要素を考慮して、優先順位を付けましょう。
選定ポイント:
- 実施頻度や1回あたりの所要時間が長く、時間削減効果が高いこと
- 作業手順が明確で、ルールが明確であること
- 担当者が少ない、単純作業が多いなど、実施者の負担が大きいこと
例えば、以下のような業務は、効果が出やすくお勧めです。
- 勤怠データの集計と報告
- システムからデータを取得して転記
- 顧客情報、受発注情報のシステム登録

まとめ
業務の棚卸しは、RPA導入のための最初の一歩です。業務を可視化し、RPA化に適した業務を見極めることで、効果的な自動化が可能になります。
棚卸しを通じて、「どの業務を自動化すべきか」「どれくらいの効果が期待できるか」を明確にすることで、その後のRPA導入がスムーズになります。
株式会社システムサポートでは、業務整理や自動化可能な作業の洗い出し、ハンズオンセミナーなど、お客様のRPA推進をお手伝いいたします。本記事で紹介した業務の棚卸しから、RPA化する業務の優先順位決定についても、もちろんサポート可能です。
特に、ステップ3:RPAに向いているかのスコア付けや、ステップ4:RPA化する優先順位付けは難易度が高い内容となっているため、ぜひ弊社サポートのご利用もご検討ください。
また、業務の棚卸しについてお問い合わせいただいた方には、業務棚卸しに使えるテンプレートを無料でご提供しております。弊社HPのお問い合わせフォームより、お気軽にお問合せください。


