【AI×業務改善】RPAだけでは限界?非定型業務を自動化する次のステップとは

生成AI・AIエージェント

はじめに:なぜRPAだけでは限界なのか

業務の効率化や働き方の見直しを進める中で、多くの企業がRPA(Robotic Process Automation)を使い始めています。RPAは、パソコン上で人が行っている決まった作業(たとえば、データの入力や転記、帳票の作成など)を自動でこなしてくれるツールです。導入によって時間の削減やミスの防止といった効果が期待されています。
RPAとは何か、詳しい紹介記事はこちら→【簡単に解説】RPAとは?仕組みや導入効果、向いている企業について – Automation Lab

ただし、こうした「決まった手順で行う作業」には強いRPAも、業務のすべてをカバーできるわけではありません。最近では、「RPAだけでは対応しきれない場面がある」「もっと柔軟な自動化が必要だ」といった声も増えてきています。

そこで注目されているのが、AI(人工知能)の力を取り入れた「AIエージェント」を使った新しい形の自動化です。本記事では、RPAの基本をふまえたうえで、その次のステップであるEPA(拡張型自動化)やCA(認知型自動化)についても紹介しながら、AIエージェントを組み合わせることで何が変わるのかをわかりやすく解説していきます。

RPA→EPA→CA:業務自動化の進化

業務自動化の取り組みは、RPAを起点として、AI技術の導入によってより柔軟で高度な自動化へと進化しています。
この進化は3つの段階(クラス) に分類され、RPA(Robotic Process Automation)→ EPA(Enhanced Process Automation)→ CA(Cognitive Automation) と表されます。
それぞれの段階を整理しながら、自動化の幅がどのように広がっていくのかを見ていきましょう。

◆ クラス1:RPA ― 定型業務の自動化からスタート

RPAは、ルールに沿って繰り返される定型的なパソコン操作を記録・再現するツールです。たとえば、Excelデータの転記や、システムからのデータ抽出など、人手で行っていた作業を高速かつ正確に処理することができます。

特徴:

  • ルールに基づく定型業務を自動化
  • 判断を伴わない「手順通り」の作業に限定
  • AIは使わず、あくまでシナリオベースの処理

できることの例

  • データの転記や集計
  • システム上の操作
  • 毎日・毎週など決まったスケジュールでの繰り返し処理

得られる効果

  • 作業時間の削減
  • ヒューマンエラーの防止
  • 単純作業からの解放による業務の効率化

限界点

  • 判断や柔軟な対応が求められる業務には対応できない
  • 少しでも条件が変わると止まってしまう
  • 例外対応は基本的に人手が必要

◆ クラス2:EPA ― 一部非定型業務も自動化の対象に

RPAの限界を補完する形で登場したのがEPA(Enhanced Process Automation)です。
EPAは、RPAにAIを一部組み合わせることで、非定型業務の一部自動化を可能にする拡張型の自動化です。自然言語処理や画像認識などのAI技術を利用し、やや複雑な判断が必要な業務にも対応できるようになります。

特徴:

  • AIを使って文書や画像、自然文の理解が可能
  • 半構造・非構造データの取り扱いが可能
  • ルールベースとAI推論のハイブリッド処理

できることの例

  • 自然言語で書かれたメールをAIが解釈し、RPAがシステムに登録
  • 注文内容に応じてRPAが在庫確認、AIが納期回答候補を生成
  • PDFの申請書の内容をAIが読み取り、RPAが基幹システムに入力

得られる効果

  • 半定型・準定型業務の処理範囲が拡大し、自動化率が向上
  • 人手による判断や確認が減り、作業時間をさらに短縮
  • RPAとAIが補完し合うことで、幅広い業務に適用可能に

限界点

  • 全体最適や高度な意思決定にはまだ人の関与が必要
  • AIの判断に揺らぎがあるため、一定の監視体制が必要

◆ クラス3:CA ― 人の“判断”も自動化する段階へ

そしていま、次のステップとして注目されているのが CA(Cognitive Automation) です。
CAは、AIを活用してより高度な業務自動化を実現する段階です。推論、学習、意思決定、業務改善といった「認知的」な作業まで自動で行えるのが特徴です。

特徴:

  • AIが状況を分析し、判断・意思決定・改善提案を自律的に実施
  • 業務フローの分析・改善も自動で実行可能
  • 学習による最適化と、プロセスの継続的改善を実現

できることの例

  • 売上・在庫・生産計画をAIが総合的に判断し、RPAが必要な調整データをシステムに登録
  • 毎月の業務パフォーマンスをAIが評価し、改善点を提案。改善点に基づいてRPAが処理フローを自動変更
  • 顧客クレーム文面からAIがリスク度を判断し、RPAが対応部署へのエスカレーションと報告書作成

得られる効果

  • 高度な業務判断・例外対応までを自動化し、人手の介在を大幅に削減
  • 業務知識をAIが蓄積し、継続的に改善・最適化
  • 「考える・判断する・実行する」まで一貫した業務自律化が実現
  • 現場の担当者が“作業”から“意思決定の確認・調整”にシフト

限界点

  • 判断の誤りや過学習リスクがあるため、初期設計・運用方針が重要
  • AIの“なぜその判断か”を説明する仕組み(説明可能性)の整備が必要
  • システム全体の設計・ガバナンスに一定の専門性と運用コストが伴う

AIエージェントとは?RPAや生成AIとどう違うのか

EPAやCAのように、AIを活用した業務自動化が進む中で、これらを実際の業務の中で機能させる“頭脳かつ手足”のような存在が求められるようになっています。
そこで登場するのが「AIエージェント」です。

AIエージェントとは、特定の目的や役割を持ち、推論・検索・ツール操作・一時記憶などの機能を組み合わせて、自律的にタスクを遂行するシステムです。

では、AIエージェントはRPAやAIと何が違うのでしょうか?
主な違いは下記の表のとおりです。

AIエージェントは、RPAや生成AIと違い、エージェント自身に設定された役割に応じて必要な行動を取ることができる能動的なアシスタントと言えます。

まとめ:業務自動化は“作業の自動化”から“業務の自律化”へ

これまでの業務自動化は、RPAによる定型作業の自動化から始まりました。しかし、業務には例外や判断を伴う場面も多く、RPAだけでは対応しきれないという課題がありました。EPAではAIを取り入れることで一部の非定型業務まで自動化が可能になり、CAでは意思決定や業務改善までも自律的に行えるようになります。

そして、こうした高度な自動化を現場で実現する要となるのがAIエージェントです。AIエージェントは、RPAやAIの機能を組み合わせて、自ら判断し、情報を集め、ツールを使って業務を完了させる、まさに“考えて動くデジタルアシスタント”です。

これからの自動化は、単なる効率化ではなく、人と共に業務を進めるパートナーとして、業務全体の最適化を支える存在へと進化しています。段階的に自動化の深さを高めながら、自社に最適な活用方法を見つけていくことが重要です。

なお、株式会社システムサポートでは、RPAはもちろんのこと、AIエージェントを自ら作ってカスタマイズすることができる機能も含まれている次世代の業務自動化プラットフォーム「Automation 360 Managed Service」をご提供しています。

RPAやAIエージェントをより効果的に活用いただくために、まずは業務の棚卸からお手伝いしています。
具体的なユースケースを交えたデモのご紹介も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。