STSストーリー

STSストーリー:関西大学 様・津田塾大学 様 - 学生の力を高める先進的な取り組み。お客様のイメージをカタチにしていく。

ライティング支援に特化したすぐれたシステムを目指して
スタートした開発

森村:今回のシステムは、文部科学省大学間連携共同教育推進事業(*1)に採用されている「ライティング/キャリア支援」の取り組みに関するものですよね。貴学でのこの取り組みの概要を教えていただけますか。

中澤 務 様
関西大学
文学部 教授
博士(文学)

中澤:実は我々は以前に別のGP(*2)の案件で、文学部として学部生の卒論作成を大学4年間かけてサポートできるeポートフォリオ(*3)のようなシステムの開発に取り組みました。そしてその延長線上のような取り組みを全学でも行おうということで、大学間連携共同教育推進事業の「〈考え、表現し、発信する力〉を培うライティング/キャリア支援」として新たに採用してもらいました。
この取り組みは、学部生に書く力を付けてもらうために、ライティングセンターでライティングの指導を行おうというもので、「ライティングラボ」という組織名で大学院生のスタッフが学部生にライティングの指導を行うというものです。
そこで掲げた柱の一つが、ライティングセンターを充実させて学生に対する支援の幅を広げることでした。また、文学部の取り組みから引き継いだ、より本格的なeポートフォリオシステムの開発も柱に入れました。この他、ライティングの客観的な評価指標を作って効果的な指導に活用することなども目指しています。
つまり今回のTEC-system開発は、日本にこれまでなかったような「ライティング支援に特化したすぐれたシステムを作る」という趣旨でスタートしたんです。

森村 淳
システムサポート大阪支店

森村:その特徴の一つがルーブリック(*4)なんですよね。

中澤:そうです。今回のシステムでは、今までにない様々なアイデアを取り入れようとしています。たとえばルーブリックもそうですし、メンター、つまり大学の外から大学をサポートしてくれるような役割を作って、TEC-folioを介して大学と社会をつなぎ、その中でうまく学生のライティング力を伸ばしていけないかとも考えています。

後藤田:TEC-folioでは、具体的にどんな形で教員と学生がやりとりできるのでしょうか

小林:一番特徴的なのは、エビデンスを伴って学習の履歴が残る、蓄積される点です。TEC-folioでは、課題の内容・学生の成果物・課題に沿ったルーブリックを1セットのユニットと捉え、1ユニットごとに自己および他者評価とコメントを、学生・教員(メンター)が画面を共有して書き残しておくことができます。学生は、自分自身の学習について、ルーブリックによる自己・他者評価とコメントにもとづいて振り返り、次の学習に活かすことができます。

中澤:卒論を書くにもこれまでの積み重ねが重要となるはずが、蓄積される仕組みがないことでそれまでの勉強が活かされないという実情があります。TEC-folioは、そこを改善してくれるようなシステムになると思っています。

小林:「日本の大学ではeポートフォリオシステムが作られても、その利用がなかなか広まらない」という中での開発でした。その現状をどう乗り越えるのか。TEC-folioは先行事例の良いところは見習っていますが、基本的にはユーザ中心設計のプロセスにそって、ゼロから作っています。
例えば、TEC-folioでは授業場面だけではなく、サークルや課外活動、ライティングセンターをはじめとする学内施設の利用など、学生が学生生活を通して行ってきた様々な学習経験のプロセスをなるべく可視化して残し、蓄積し、ルーブリックにもとづいた振り返りを適宜行います。その集大成が、卒論作成や就職活動につながっていく。授業場面だけという狭い範囲、1セメスターだけという短い時期の利用ではなく、4年間の学生生活全般を支援し得るeポートフォリオシステムにしたいとの思いで開発してきました。

中澤:システム面を御社に依頼した経緯は、選定を担当した関西大学のITセンターから聞いたところでは、御社がeポートフォリオシステム(*5)に対する理解や技術を確実に持たれているということがあったようですね。また選定の際に、今後の拡張性、たとえばスマートフォン・タブレット端末への対応などを踏まえた提案をいただいた点が高く評価されたようです。

*1)大学間連携共同教育推進事業:地域や分野に応じて大学間が相互に連携し、社会の要請に応える共同の教育・質保証システムの構築を行う取り組み。文部科学省が教育の質の保証と向上、強みを活かした機能別分化を推進することを目的に推進。
*2)GP:文部科学省が実施している大学教育改革のための取り組み「Good Practice」の略。教育の質向上に向けた大学教育改革の取組を選定し、財政的なサポートや幅広い情報提供を行っている。
*3,5)eポートフォリオ(システム):学生の成果物のレポートなどを蓄積することで、学生の振り返りにつなげるシステム。
*4)ルーブリック:学習到達状況を評価するための評価基準表。

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